2019/02/08-20

VCBG – バーチャルキャラクターズバトルグラウンド –

〔展示〕

2019年2月8日(金)~20日(水)

12:00~20:00(水曜日~17:00) ※木曜日休廊

「VCBG - バーチャルキャラクターズバトルグラウンド - 」

今井新、かなみとも、ク渦群、パルコキノシタ、藤城嘘、やとうはるか

スペースO

〔概要〕

インターネット上の仮想空間で個人が現実とは異なるキャラクターを演じること、バーチャルキャラクター受肉と呼ばれる行為が、かつて無いほどの流行を見せている。
様式の異なるキャラクター受肉者同士が世界線を超えて互いのフォロワーになるコミュニケーションが巨大なムーブメントとしてネット世界に急速に波及したのだ。
元々ネットユーザーは、現実の名称とは異なるハンドルネームを自己に付与することによって、別人格のロールプレイを課せられていたのだが、そこからさらにバーチャルキャラクター受肉という過程により、現実の自分、ネットの自分、キャラクターとしての自分という、幾重にも複雑な人格が個人の中に芽生えることとなった。

キャラクター受肉は過去のムーブメントの只の反復だと言う批判的意見も散見されるが、キャラクターが人と人の交流の手段として、ここまでも深くネットコミュニティに入り込み、さらには"ガチ恋"という、今までの一方的なキャラクターへの疑似恋愛を超えた、相互的な疑似恋愛のロールプレイという、よりディープな現象を生み出したことは、初音ミク流行以来の、キャラクターコミュニティの大きな革新といえるだろう。

キャラクター受肉コミュニケーションは、劇場と観客の垣根を無くし、互いがフォロワーとなり、互いを応援しあう、「優しい世界」と呼ばれる独特なコミュニティを創造した。
だが、その「優しい世界」には闇の部分も存在する。
永遠と人間がキャラクターであり続けるということは、本来の自己との矛盾との戦いでもある。
自己認知と他者からの認知の錯誤が少しずつ蓄積していった時、キャラクターと受肉者の人格は時に混乱、破綻を来たし、大きな落胆や苦悩をキャラクター受肉者とそのフォロワーに与える結果となることもある。

そして、この苦悩を本ムーブメント以前から背負い続けている者たちがいる。
それはキャラクターを主題とするアーティスト達である。
アーティスト自身も、アーティストを演じるキャラクターであり、その母でもあり、莫大な時間をキャラクターと向き合い続けている。
事象、心証のキャラクター化・作品化、パフォーマンス、作家自身のステイトメント表明という行為。

アーティストはアーティストであり続ける限り、永遠のキャラクター化を課せられているのだ。
彼ら彼女らはキャラクター受肉者達の源流とも言えるし、キャラクター受肉ムーブメントを俯瞰出来うる存在のはずだ。
そこで、キャラクターについて日々考察と創作を続けている実力派アーティスト達に集まってもらい、キャラクターの供給過多とも言える現代の、バトルグラウンドの縮図をリアルワールドに展開してみたいと思う。
そしてアーティスト達がこの混沌とした戦場の導き手となるのである。

ーかなみとも

Date
  • 2019/02/08-20

Location
  • スペースO

Creator
  • IMAI Arata / 今井 新

  • KANAMI Tomo / かなみ とも

  • kukamura / ク渦群

  • PARCO Kinoshita / パルコキノシタ

  • FUJISHIRO Uso / 藤城 嘘

  • YATO Haruka / やとう はるか

IMAI Arata / 今井 新

〔プロフィール〕
1992年、港北ニュータウン生まれ。
東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。
現代美術家・映像クリエイター。
フィールドワークを行って得た知見を、自分キャラ「イマイ君」を用いてマンガや映像で表現する。
趣味はバックギャモン。

〔主な展示歴〕

2013 「芸術係数企画 / ア・ワールド・ピクチュア-How do you make a world picture?」(EARTH+ galllery / 東京)

2015 「カオス*ラウンジ新芸術祭2015 市街劇 / 怒りの日」(福島)

2018 「ゲームポリヘドロン」(中央本線画廊 / 東京)

〔Twitter〕
@arataimai

〔Instagram〕
@arataimai

KANAMI Tomo / かなみ とも

〔プロフィール〕
1984 東京都生まれ
2012 創形美術学校卒業

青年期にひきこもり、アニメキャラとのみ接しながら10代を過ごし、美少女アニメキャラに対して鬱蒼とした愛情を抱いている。
元々はアニメキャラに愛憎の混ざったグロテスクな表現をしていたが、2011年の震災によって、社会に隠れていたグロテスクが、原発やデモ、ツイッターなどにより、現実・ネット上で一気に表面化してしまったために、グロテスクをあえて表現するという役割は時代的に不必要となってしまい、享楽的かわいい、無思想な笑顔を前面に押し出すキャラクターの表現が基盤となった。
近作ではより複製の容易い、空虚なアニメキャラクターを、個々の鑑賞者の救済者として用い、さらに体液や母乳などの液体表現をきっかけに、キャラを擬似的に受肉させ、鑑賞者との橋渡しを試みている。

〔個展〕
2013 カオス*プレビューVol.1 「かわいそうかわいい実験場」
(ゲンロンカフェ / 東京)

〔主なグループ展〕
2014 「カオス*ラウンジSIX - イメージの他力本願 -」
(ビリケンギャラリー / 東京)
2013 「カオス*ラウンジ Little Monument Akihabara」
(みどり荘 / 東京)
2011 「大変態サーカス」(SPACE ANNEX / 東京)
「フェスティバルトーキョー カオスイグザイル」
(カオス*ラウンジ・秋葉原会場 / 東京)
「はっぴーまむまむのまむ様の窓から」(SPACE/ANNEX / 東京)
「愛 教え展 私たちの宗教画」(ubeful / 京都)

kukamura / ク渦群

〔プロフィール〕
1993 福島県南相馬市生まれ
2015 東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース 卒業
2017 東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術文化専攻洋画研究領域修士課程修了

カートゥーンやゲーム、インターネット文化に影響を受ける。
授業中にノートに描いた落書きや、お絵描き掲示板でゲームのキャラクターの絵を描いて投稿していたのが原点。

キャラクター達がピンクや蛍光色で彩られたキュートな世界と、
血や事故、炎、不安の影が絡み合う、不気味でドロドロとしたラブリーな絵を描いている。

〔主な個展〕
2018 「BORN ON THIS LOVELY STAR」(中央本線画廊 / 東京)
2023 「HOLY WATER SPRINKLER」(opaltimes / 大阪)

〔主なグループ展〕
2021 「レインボープール」(River coffee & gallery / 東京)
2021 「故郷」(新宿眼科画廊 / 東京)
2022 「ドローイング展 ゆきどけ」(新宿眼科画廊 / 東京)
2022 「メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェア 2022」(Chignitta他 / 大阪)
2022 「ドローイング展 ゆうだち」(新宿眼科画廊 / 東京)
2022 「2022 The Preview Seongnu with ShinhanCard」(SFactory / pieブース / 韓国)
2023 「cross cross x x vol. 1」(Node94 / 台湾)
2023 「로컬 !ローカル!」(pie,3Q / 韓国)
2023 「2023 The Preview Seongsu with ShinhanCard」(SFactory / pieブース / 韓国)
2023 「ゲーム大好き 」(OF / 岡山)
2023 「Study:大阪関西国際芸術祭 2023」(大阪府立中之島図書館他 / 大阪)
2023 「ドローイング展 はつはる」(新宿眼科画廊 / 東京)
2024 「根源的正欲!展」(ルンパルンパ / 石川)
2024 「ドローイング展 せいめい」(JITSUZAISEI / 大阪)
2024 「福島アートアニュアル2024 二次の彼方に:安齋茉由、ク渦群、髙木ちゃー」(福島県立美術館 / 福島)
2024 「芸術ハカセは見た!-芸術の植生-」(徳島城博物館 / 徳島)

〔賞歴〕
2022 「メタセコイア・キョウマチボリ・アートフェア 2022」(井浦歳和賞、内田ユッキ賞 受賞)

〔WEB-site〕
gnu65.xxxxxxxx.jp

〔Twitter〕
@freezepower

〔Instagram〕
@freezepower

PARCO Kinoshita / パルコキノシタ

〔プロフィール〕
1965 徳島県生まれ


日大芸術学部卒業。

現代美術家。
小中高の教師を経てイラストレーターに転向、月刊漫画ガロで漫画家デビュー。

漫画家、現代美術家として活動。
世界各地のアート展でゲリラパフォーマンスを行ったり、絵を描いている。
自分の展覧会よりも、小学生とワークショップを行う方が圧倒的に多い教育と美術を研究している。
現代美術集団昭和40年会会員。 

〔個展〕 
2012 「幽霊でもいいから」(新宿眼科画廊 / 東京)
2013 「かすかに揺れている毎日」(新宿眼科画廊 / 東京)

 

〔グループ展〕
2013 「杏窪彌(アンアミン)とジャイアントパンダにのってみた展」(新宿眼科画廊 / 東京)

2013 「おらたち、あまちゃんが止まらねぇ!!」(新宿眼科画廊 / 東京)
2015 「no-nenちゃん来て来て展」(新宿眼科画廊 / 東京)

 

〔受賞〕
1989 「日本グラフィック展」パルコ賞受賞

 

〔Twitter〕

 

〔Instagram〕
@paruchin

FUJISHIRO Uso / 藤城 嘘

〔プロフィール〕
画家、美術家。1990年生まれ。
東京在住。
日本大学芸術学部美術学科卒業。
インターネット上にSNSや動画投稿・配信サイトが登場したころに制作活動をはじめ、「オタク文化」のN次創作的な創造力を、芸術の領域へ積極的に輸入するような活動を展開する。
「キャラクター」というテーマを広義にとらえ、アニメやマンガに登場する「萌えキャラ」をはじめとし、文字や記号などへも関心を寄せた絵画作品を制作。
2011年東日本大震災以後は、東北地方や四国地方での芸術祭への参加を経て、宗教や信仰にまつわる文化史や人類に普遍的なモチーフを作品に援用するようになり、風景や都市・動植物や鉱物や気象などの自然科学・美術史や歴史上のイメージや図表が、キャラクターとともに画面上でネットワークを構築するかのような作品を制作。
時空を超えたイメージ世界の交流や生態系を表現する。また、自ら作品制作をするだけでなく、SNSを通して出会った様々なアーティストやクリエイターに声をかけたグループでの展示企画も積極的に続けている。

〔主な個展〕
2010 「モストポダン」(青山 ビリケンギャラリー / 東京)
2010 「a white lie」(中野 Hidari Zingaro / 東京)
2013 芸術係数プレゼンツ藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(EARTH+GALLERY / 東京)
2017 「ダストポップ」(ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ / 東京)
2018 「『絵と、 』vol.2 藤城嘘」(ギャラリーαM / 東京)
2019 「藤城嘘のオープンアトリエ」(ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ / 東京)
2022 「ルーズリーフ」(中延 スタジオ コウシンキョク / 東京)

〔主な主催企画展示、プロジェクトなど(「カオス*ラウンジ」関連を含む)〕
2014 「キャラクラッシュ!」(湯島 カオス*ラウンジアトリエ / 東京)
2015 カオス*ラウンジ新芸術祭2015 「市街劇『怒りの日』」(福島県いわき市 もりたか屋、菩提院、平廿三夜尊御札受所 / 福島)
2016 瀬戸内国際芸術祭2016 (香川県香川市 女木島 / 香川)
2016 「風景地獄−とある私的な博物館構想」(A/D GALLERY / 東京)
2016 カオス*ラウンジ新芸術祭2016 「地獄の門」(福島県いわき市 もりたか屋、菩提院、平廿三夜尊御札受所 / 福島)
2016 同上「市街劇『小名浜竜宮』」(福島県いわき市 小名浜 / 福島)
2017 「カオス*ラウンジ9『Vapor地獄』」(ビリケンギャラリー / 東京)
2017 Reborn-Art Festival2017(宮城県石巻市 / 宮城)
2017 カオス*ラウンジ新芸術祭2017「百五十年の孤独」(福島県いわき市 / 福島)
2018 「カオス*ラウンジX ポタティックドリーム2018 実質バーチャルの冬」(中央本線画廊 / 東京)
2018 「破滅*アフター」(六本木ヒルズ A/D GALLERY / 東京)
2019 「TOKYO2021「un/real engine ―― 慰霊のエンジニアリング」」(TODA BUILDING 1F / 東京)
2020 「3月の壁  ―― さいのかわら」(ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ / 東京)
2020 「カオス*ラウンジXI キャラクターオルガナイズ」(ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ / 東京)
2022 「キャラべスク」 (石巻市 日和坂アート研究舎 / 東京)

〔主な出展歴〕
2013 芸術係数プレゼンツ「ア・ワールド・ピクチュア」(EARTH+GALLERY / 東京)
2014 「展示室展」(小金井アートスポット シャトー2F / 東京)
2015 「第38回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展」(国立新美術館 / 東京)
2015 「現在幽霊画展」(TAV GALLERY / 東京)
2016 「現在戦争画展」(TAV GALLERY / 東京)
2018 「mograg 10th Anniversary Exhibition “てん”」(mograg gallery / 東京)
2019 「VCBG ヴァーチャルキャラクターズバトルグラウンド」(新宿眼科画廊 / 東京)
2019 「フィジカルボディ・コンプレックス」(新宿眼科画廊 / 東京)
2020 「VOCA展2020」(上野の森美術館 / 東京)
2023 「ローカル!, 로컬!」(ソウル pie / 三Q)

〔賞歴〕
2020 「VOCA2020 現代美術の展望 -新しい平面の作家たち-」入選

〔その他経〕
2019-2021 美学校講座「現代アートの勝手口」講師

〔X(Twitter)〕
@xlie_

〔Instagram〕
@lie_fujishiro

YATO Haruka / やとう はるか

〔プロフィール〕
1989 静岡県生まれ
2015 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程修了

〔個展〕
2012 「えんもゆえんもない地獄」(ルンパルンパ / 石川)
2013 「さわやかな壁」(gallery b.TOKYO / 東京)
2022 「やとうはるか個展」(日和坂アート研究舎 / 宮城)

〔グループ展〕
2011 「はっぴーまむまむのまむ様の窓から」(SPACE/ANNEX / 東京)
2012 「TURNER MUSEUM vol.1」(ターナーギャラリー / 東京)
2013 「壺中天・・・否、坩壺天」(ルンパルンパ / 石川)
2013 「ポートフォリオを観て話す会」(新宿眼科画廊 / 東京)
2014 「春のカド2」(ターナーギャラリー / 東京)
2014 「感情未然」(新宿眼科画廊 / 東京)
2014 「何も考えないまま10年経ってた・・・展」(新宿眼科画廊 / 東京)
2015 「HAPPY MUM MUM 2」(新宿眼科画廊 / 東京)
2015 「PAPER DRAWINGS」(ギャラリーなつか / 東京)
2018 「パープルーム大学付属ミュージアムのヘルスケア」(茨城県常陸太田市郷土資料館 / 茨城)

〔Twitter〕
@yatohharu

〔Instagram〕
@yato_haruka

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