今回は台湾のバイクをたくさん持ってきました。
你好バイク!キッティちゃんバイク、郵便局バイク、鉢植えバイク、水玉バイク…
人の数だけバイクある。
大学入学するときバイク買う。大学卒業するときもバイク買う。そのくらい大事!
あと、雑誌ですね。いろんな雑誌いろんな表紙、日本でそれら見るのが楽しい。
そんな雑誌アートをまとめたポストカード作品集「ジャケがいい」、会場で販売してます。税込2,160円!
台湾のバイクと日本の雑誌、関係あるかって?
わたしがどちらも気になりますから関係ありますし、作品集売りたいですからそのための展示とも言えます。
どうぞごゆっくり!
LEE KAN KYO
「LEEさんは宇宙人」
LEEさんは公平な人である。
その公平さは優しさや親切とイコールではない。
ものを見る視点が他人とは随分違うだけである。
その違いは、LEEさんが東京在住の台湾人故に生まれたものではない。
そもそもLEEさんは宇宙人なのだ。
ムシロにいらないものを並べて路上で定期的に物を売っている友だち(京都には結構こういう奴がいる)に聴いた話だ。
いつものように路上で物を売っていると、中年男性がつかつかと歩み寄ってきて一冊の漫画を手にとり、眺めはじめた。
その友だちが読み古した少女漫画だが、並べているのは二巻のみ。一巻は貸したまま戻ってこないかどこかへやってしまったのだ。
言い訳するように彼女は言った。
「すみません、それ、二巻しかなくって・・」
それに対して男性はこう応えてその漫画を買っていったという。
「漫画って面白いですよね」
誰のどういう作品だとか、ストーリー上最重要である一巻が欠けているだとかはおかまいなし。
彼はその少女漫画の二巻を「漫画」というマクロな視点で眺め、なんらかの価値を見出し、買い求めたのである。
LEEさんの作品は基本的にこの中年男性と同じ視点で描かれている。
「雑誌って面白いですよね」、「バイクって面白いですよね」
LEEさんがそういう時、その対象に付加価値や、位置づけや、実用性や、他人の評価などは介在しない。
ただレーザービームのような鋭く真っ直ぐな視線で、モノ自体を描き出すだけなのだ。
堀部 篤史(誠光社)