2023/10/13-18

/

〔展示〕
2023年10月13日(金)~18日(水)
12:00~20:00(水曜日~17:00) ※木曜日休廊
「/」
石井飛鳥、渋谷和史、永田一樹、
高梨大、Fushi /  風史
スペースO

〔概要〕
“/”(スラッシュ)という記号は、「そして」「もしくは」のように文章中で使われることや、コンピュータのパス、分母分子といった上下を分かつための記号としても使われることがある。前後に置かれる言葉や数、さまざまな物事と繋がっている/分け隔てられていることを示すことができるのだ。そして、私たちの生活にありふれているテクノロジーにも”/”のような作用がある。それは友達を「親しい」と「親しくない」で区別するInstagramや、私たちの生活リズムをコンテンツによって方向づける番組表、一定の書式によって記述される住所だったりする。それらは2値化された物事をなめらかに繋いでいるように見せかけるものの、そこに存在していた様々な位相や複雑性を許さない、居心地の良い空間のためのシステムである。

 
そもそも人は名づけえないものを取り扱うことが苦手であり、整理されたものを求めてしまうという「わかりやすさへの欲望」を持っている。情報技術は整理された世界を表示することで、その欲望を加速させる。その結果、私たちは、分断され整理されたものに居心地の良さを感じ、複雑なものを複雑なままにすることができなくなっている。情報技術の引力と斥力、つまりスラッシュのような効果があるということを自覚しないまま、それが求めるままに(本当は分断されている)物事や人々がつながっているのだと認識する/つながりを演じている。しかしそこは、既に割れ切った後の世界である。
 
本展示は2020年4月に慶應義塾大学SFCに入学した作家で構成される。四角い箱から発されるブルーライトがキャンパスだった私たちの生活はまさしく”/“であり、さまざまな困難を抱えつつ大学生活を送ってきた。そしてそのことによってつながった(つながりを演じることを求められた)こともあった。こうした経緯を踏まえ、本展示会はスラッシュの効果を受け入れ、再解釈する実験の場とし、情報技術をめぐる表現と実験的な取り組みを経て、透明化している”/”の存在を浮き彫りにすることを試みる。
 
/* プログラムにおけるコメントアウト(ソースコードやプログラムの一部分を無効化すること)には”/”が用いられることが多い。私たちは、この展示を社会に対する一つの「コメントアウト」だと考える。社会とのつながりを確認しつつ、一方で社会システムの外側でコメントをする。それは、ともすると社会のシステムに全く影響を与えない、ということになる。確かに社会に影響を与えるのであれば普通に働いたり、起業や、NPOや、社会運動といった直接的な行動を起こした方がいいかもしれない。しかしそれでも、私たちは社会に対する応対と逸脱の両方を抱えながら、「コメントアウト」を行いたい。複雑なコードは、コメントによりはじめて理解の糸口が提供されるからである。*/
Date
  • 2023/10/13-18

Location
  • スペースO

Creator
  • ISHII Asuka / 石井 飛鳥

  • SHIBUYA Kazufumi / 渋谷 和史

  • NAGATA Kazuki / 永田 一樹

  • TAKANASHI Dai / 高梨 大

  • Fushi / 風史

ISHII Asuka / 石井 飛鳥

〔プロフィール〕
2001年、札幌市生まれ。AI(人工知能)を用いた視覚表現と自然言語表現に関心を持ち、メディアアート作品の制作を行う。
間の創造性の外の領域で観測されたAIによる出力を、人間の理解可能な裾野にインタープリテーションを行うことにより、物事の理解可能性と不可能性の閾値を探求している。

〔展示〕
2022 「MUSES EX MACHINA - AIが映し出す人と創造性の未来 at ICC アニュアル 2022 生命的なものたち」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] / 東京)
2022 TUB第12回企画展「Visible x Invisible ──ビッグデータと次世代の情報表現」(Tama Art University Bureau / 東京)
他多数

〔賞歴〕
2022  Yamanashi Media Arts Award 2021 Y-SILVER(優秀賞)(Yamanashi Prefectural Museum of Art / 山梨)
2022  Asia Digital Art Award 2021 General Category Interactive Arts Finalists' Award(Fukuoka Art Museum / 福岡)
他多数

〔WEB-site〕
https://asukaishii.work

〔Twitter〕
@ikinari_udon

〔Instagram〕
@kinari_askme_udon

SHIBUYA Kazufumi / 渋谷 和史

〔プロフィール〕
2001 生まれ
慶應義塾大学環境情報学部 在籍
画像生成を行うAIに個性を見出し、画像や映像における「AIらしさ」をテーマに制作研究を行う。
また、AIとリアルタイム3Dグラフィックスを駆使しVJ、MV制作などを手掛ける映像作家としても活動する。

〔展示〕
ICC アニュアル 2022 生命的なものたち,  "やまなしメディア芸術アワード受賞作品展” Yamanashi Prefectural Museum of Art
他多数


〔賞歴〕

NeurIPS 2022 Machine Learning for Creativity and Design Artwork Spotlights,  やまなしメディア芸術アワード2021 優秀賞
他多数

〔WEB-site〕
https://kazufumishibuya.myportfolio.com

〔X(Twitter)〕
@ico_kaz

〔Instagram〕
@ico.kaz

NAGATA Kazuki / 永田 一樹

〔プロフィール〕
2001 生まれ
2023 慶應義塾大学環境情報学部在籍
「(ポスト・)ポスト・インターネットにおける抵抗」をテーマに、作品制作やソーシャル・プラクティスの実践を行う。

〔展示歴〕
グループ展『HERE』@Liamgallery, SFC Creative Week 2022 @Keio University SFC 他多数

〔賞歴〕
IMA NEXT THEME #24MEMORIES SHORT LIST
文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業【国内クリエイター発表支援プログラム】 採択

〔制作〕
「GOVERNING EQUATIONS」制作補佐(Gallery of Manseibashi Station)
「Data Art & Science Project」research(ARS ELECTRONICA FUTURELAB、DEEP SPACE 8K)

〔メディア〕
『森久保祥太郎の今週わず』Bayfm
『首都圏ネットワーク』NHK
その他日本テレビ,、日経新聞、産経新聞、南日本新聞
他多数

〔WEB-site〕
https://tinyurl.com/5n9xx244

〔X(Twitter)〕
@k_aui_

〔Instagram〕
@ichiphoto_

TAKANASHI Dai / 高梨 大

〔プロフィール〕
2001 東京都生まれ
幼少期からピアノを習い、音楽に興味を持ち始める。
大学では、プログラミングや機械学習を用いた新しい音楽表現を日々模索している。

〔展示〕
2022 「Variable Flavor Remix / 2022.2.28 インタラクション2022 」音源分離技術を用いた、観客からのリクエスト楽曲を即興でリミックスするシステムの制作(NTTインターコミュニケーション・センター  / 東京)

〔WEB-site〕
https://dai0618.github.io/#

Fushi / 風史

〔プロフィール〕
2000 京都府生まれ
2023 慶應義塾大学環境情報学部在学中
くためのメディアを作ることで、自然には起こり得なかった聴覚現象を作り出し、人と自然 (地球や宇宙)の関係に変化をもたらす作品を制作や、その変化の研究を行う。

〔展示〕
2022 「SpaceArt展」(LabCafe / 東京)
2022 「SFC Creative Week 2022」(Keio University SFC / 神奈川)
他多数

〔賞歴〕
2022 「技育展 世の中を楽しくする部門」最優秀賞
2022 「やまなしメディア芸術アワード2022」入選
他多数

〔WEB-site〕
https://fushi-sano.studio.site/home

〔X(Twitter)〕
@Fushi_fu

〔Instagram〕
@fu.fu.fu.fu.fu.fu

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