2025/07/25-08/06

サンプリングセンサー

〔展示〕
2025年7月25日(金)~8月6日(水)
12:00~20:00(水曜日~17:00) ※木曜日休廊
「サンプリングセンサー」
岩岡純子、江頭誠、海沼ちあき、
國分莉佐子、斉木駿介、田口愛子、
TYM344、仲衿香、前畑裕司
入場無料
スペースM、S、E

〔概要〕
オリジナリティとはなんだろう。
作品の価値とはどこに宿るのだろう。
一般的に考えて作品の価値とは唯一無二である事にある。
そのようなアウラ(唯一性)の対局にサンプリングという手法が存在する。
サンプリングとは元々音楽用語で楽曲や音源の一部を切り出し、それを新たな楽曲の一部として用いる手法を指す。
その手法の前では私たちの目にするすべての事物がモチーフであり素材たりえる。対象の一部を断片的に切り抜いたり(カットアウト)、バラバラにした素材を組み合わせコラージュ的に使用し作品化(リミックス)するものだ。

この手法の起源は音楽にあり1940年に端を発し1980年代ハウスミュージックやヒップホップにおいて多用されそれと並行、また影響を受ける形で美術ないし他ジャンルへも広がっていったとされている。

私がはじめてこの手法による作品に触れたのは子供向け番組のポンキッキーズだった。
幼き日に見ていた90年代のポンキッキーズにはヒップホップグループ スチャダラパーのBOSE氏や電気グルーヴのピエール瀧氏が出演していた。番組中の短いジングルなども彼らが手掛けたものだった
その時は特別意識もしていなかったが中学生になった時改めてスチャダラパーの音楽に触れた時は驚いた。トラックには西遊記やウルトラマンのOP、アニメ サザエさんの劇中BGMなどがかなり自由に取り入れられていた。今思えばまだ著作権などに関する規制が寛容な時代だったのだろう
よく見知ったそれらは断片的に素材として使用され他の物と混ざり合い元ネタとは違う新鮮な印象を持っていた。

作品を制作していてよく考える疑問がある。
オリジナリティとは何か である。
サンプリングの手法をとって作られた作品には当然元ネタが存在する。
その特性ゆえにこの制作方法は常に著作権問題と隣り合わせにある

2010年代に流行したヴェイパーヴェイブもサンプリングによるインターネット上のムーヴメントである。
ヴェイパーヴェイブとはパソコンやDAWを用いて素材の加工と切り貼りだけで制作された実験音楽であり80〜90年代の一般的にはあまり評価されない音楽(大型デパートなどの商業施設でかかる音楽やコマーシャルのバックミュージック、PCの起動音など)が元ネタとなっている事が多く、過去に大量生産され忘れ去られた人工物や技術への郷愁、消費資本主義や大衆文化、80年代の文化への批評や風刺が主な特徴とされている。
こちらはインターネットから発生した音楽ジャンルでYouTubeなどの動画サイトの台頭により過去の動画や音楽を膨大に視聴する事が可能になった事が大きく影響している。

現実やネット上から切り取られ作品として新たな意味と価値を持った時、本物と偽物の境界は曖昧なものとなる。
作家は何をセンサー(検知器)にサンプリングを行っているのか?
そのサンプリングの基準と手法、成果物にはオリジナリティが宿る事だろう。

Date
  • 2025/07/25-08/06

Location
  • スペースM、S、E

Creator
  • IWAOKA Sumiko / 岩岡 純子

  • EGASHIRA Makoto / 江頭 誠

  • KAINUMA Chiaki / 海沼 ちあき

  • KOKUBU Risako / 國分 莉佐子

  • SAIKI Shunsuke / 斉木 駿介

  • TAGUCHI Aiko / 田口 愛子

  • TYM344

  • NAKA Erika / 仲 衿香

  • MAEHATA Yuji / 前畑 裕司

IWAOKA Sumiko / 岩岡 純子

〔プロフィール〕

1982  千葉県生まれ
2009  東京芸術大学大学院美術研究科修了

 

美術家。

西洋名画の登場人物を本から切り取り、現代の風景と組み合わせたコラージュと油絵 の作品、『タイムリープシリーズ』を展開。

多摩市でコレクティブの活動もしている。

 

〔個展〕

2013 「美人画展」(3331 Arts Chiyoda / 東京)

2020 「Landscape」(オークウッドアパートメンツ六本木セントラル / 東京)

2022 「中之島を、歩くひと」(YOD Gallery / 大阪)

 

〔グループ展〕

2023 「MITSUKOSHI Art Weeks」(日本橋三越本店 / 東京)

2024 「デペイゼ / 旅と庭」(ニュー スペース パ / 東京)

2024 「MUSEUM for NEWTOWN」(旧西落合中学校 / 東京)

2024 「New Eden」(tagboat / 東京)

2025 「A Room of One's Own」(Sansiao Gallery HK / 香港)

2025 「サンプリングセンサー」(新宿眼科画廊 / 東京)

 

〔受賞〕

2020 「15th TAGBOAT AWARD」入選

2020 「シェル美術賞2020」入選

2021 「WATOWA ART AWARD 2021」入選

 

〔WEB-site〕

https://www.sumikoiwaoka.com/

 

〔X(Twitter)〕

@sumiko_iwaoka_

EGASHIRA Makoto / 江頭 誠

〔プロフィール〕
1986 三重県生まれ
2011 多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業

 

戦後の日本で独自に普及してきた花柄の毛布を主な作品素材として、立体作品やインスタレーションを手掛ける。 

2015年に発泡スチロール製の霊柩車を毛布で装飾した「神宮寺宮型八棟造」で「第 18 回岡本太郎現代芸術賞」特別賞を受賞。その翌年、毛布で洋式トイレをつくった「お花畑」で「SICF17」のグランプリを受賞する。

展示以外にアーティスト YUKI の「My lovely ghost」の MV や GUCCI のショートフィルム「Kaguya by Gucci」にアートワークで参加、2025年に東京ガールズコレクションにも参加。

 

〔個展〕

2023 「四角い花園」(hpgrp GALLERY TOKYO / 東京)

2025 「おふとん遊泳」(亀戸アートセンター / 東京)

 

〔グループ展〕

2019 「六甲ミーツ・アート芸術散歩2019」(六甲山 / 兵庫)

2022 「国際芸術祭BIWAKOビエンナーレ2022」(禧長 / 滋賀)

2023 「六本木アートナイト2023」(六本木ヒルズ / 東京)


〔受賞〕

2015 「第18回 岡本太郎現代芸術賞」特別賞受賞

2016 「SICF17」グランプリ受賞

 

〔WEB-site〕
https://makotoegashira.wixsite.com/artwork

〔X(Twitter)〕

@makotoegashira

〔Instagram〕
@makotoegashira_artwork

 

アーティスト写真撮影 / Kaho Okazaki

KAINUMA Chiaki / 海沼 ちあき

〔プロフィール〕
1995 東京都生まれ
2014 東京都立総合芸術高等学校卒業
2018 多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業

 

雑コラやVaporwaveなどのインターネットカルチャーに影響を受けながら、資本主義社会の理想郷をテーマに、しばしば皮肉やユーモアを交えた絵画作品を制作する。

〔個展〕
2021 「超カイヌマ原画展〜ザ・ナイーブ・サンクチュアリ〜」(新宿眼科画廊 / 東京)

2024 「KAINUMA and the CHOCOLATEFACTORY」(亀戸アートセンター / 東京)

〔グループ展〕
2022 「メランコリック日常」(Artas Gallery / 福岡)

2024 「Eudaemonia」(Gallery Common / 東京)

2025 「Futurama vol.1」(FOAM CONTEMPORARY / 東京)

2025 「サンプリングセンサー」(新宿眼科画廊 / 東京)

〔X(Twitter)〕
@chackieart

〔Instagram〕
@chackieart

KOKUBU Risako / 國分 莉佐子

〔プロフィール〕
1999 東京都生まれ
2018 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻入学
2022 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2025
東京藝術大学大学院美術研究科油画技法材料研究室修士課程卒業

 

現在、同大学院映像研究科メディア映像専攻修士課程在籍。

幼少期に経験した知覚体験から知覚・認知プロセスへの疑問を軸に絵画制作をしている。

 

〔個展

2024 「可視光線のコンポジション」(Extra Small / 東京)

2025 「天穹のスパークル」(Gallery & Restaurant 舞台裏 / 東京)

2025 「オプティカル・ストライク」(CASHI / 東京)

 

〔グループ展

2020 「EPIC PAINTERS Vol.7」(The blank GALLERY / 東京)

2020 「AS ABOVE SO BELOW」(四谷未確認スタジオ / 東京)

2021 「Remix」(3331 Arts Chiyoda / 東京)

2021 「ストレンジャーによろしく」(芸宿 / 石川)

2022 卒業制作展「vibration」(東京藝術大学 / 東京)

2022 卒業制作展「vibration」(東京都美術館 / 東京)

2022 「メランコリック日常」(Artas Gallery / 福岡)

2022 「P.O.N.D.2022」(PARCO MUSEUM TOKYO / 東京)

2023 「はたからみる」(新宿眼科画廊 / 東京)

2023 「はたからみる」(CASHI / 東京)

2024 「sandbox」(CASHI / 東京)

2025 「サンプリングセンサー」(新宿眼科画廊 / 東京)

 

〔WEB-site〕
https://risakokubu.tumblr.com

〔X(Twitter)〕

@petrichor__xx

〔Instagram〕
@risarisa0121
@risakokokubu_works

SAIKI Shunsuke / 斉木 駿介

〔プロフィール〕

1987 福岡県生まれ

2010 九州産業大学芸術学部美術学科卒業

2012 九州産業大学大学院博士前期課程芸術研究科美術専攻修了

美術家。

現実やインターネット上のモチーフ、風景、記号を解体、再構築して絵画を制作する。

リアルとネットが融合する現代の日常感覚や日々更新されると同時に忘却されていく大量の情報を絵画によって記録する事を試みる。

主な出版物に2021年「美術手帖2月号 ニューカマーアーティスト特集」、「明るい映画、暗い映画 21世紀のスクリーン革命」表紙装丁(渡邊大輔 著)など。

 

〔個展〕

2019 「日常とディストピア」(KANZE ARTS / 福岡)

2019 「日常とフィクション」(新宿眼科画廊 / 東京)

2020 「スクショする風景」(Artas Gallery / 福岡)

2020 「スクロールする風景」(Gallery Yukihira / 東京)

2023 「Skip chapter」(Artas Gallery / 福岡)

2023 「BAD TRIP VR」(京都岡崎 蔦屋書店 GALLERY EN ウォール / 京都)

2024 「リプレイする」(横浜マリンタワー / 神奈川)

〔グループ展〕

2021 「非/接触のイメージ」(IAFshop* / 福岡)

2021 「dpi」(KANZE ARTS / 福岡)

2021 「emerging artists」(500m美術館 / 北海道)

2021 「ニューカマーアーティスト展」(銀座 蔦屋書店 / 東京)

2023 「はたからみる」(新宿眼科画廊 / 東京)

2023 「はたからみる」(CASHI / 東京)

2025 「IN-ON-OUT」(Oh Studio Hiroshima / 広島)

2025 「幽体離脱する風景」(roid works gallery / 東京)

2025 「サンプリングセンサー」(新宿眼科画廊 / 東京)

 

〔WEB-site〕
shunsuke-saiki.com

 

〔X(Twitter)〕
@shunsuke_saiki

 

〔Instagram〕

@shunsukesaiki

TAGUCHI Aiko / 田口 愛子

〔プロフィール〕

1994 東京都生まれ

2015 ロンドン芸術大学セントラルセイントマーチンズファウンデーション修了

2018 ロンドン芸術大学ウィンブルドンカレッジオブアートファインアート学科卒業

 

スキャンやコラージュといった手法で解体・再構築し、理想の身体美として生まれた「ボディ」を主軸とする。

現実の風景(Googleストリートビュー)と融合させることで、虚構の存在にリアリティを与え、身体と美、リアルとデジタルの境界を問いかけている。

 

〔個展〕

2018 「田口愛子展」(gallery a-cube+ / 東京)

2021 「35°40'10.0"N 139°45'42.7"E」(GALLERY HAYASHI / 東京)

2022 「35°40'57.4"N 139°44'29.1"E」(MATTER / 東京)

2022 「Bodyscope」(Feb gallery Tokyo / 東京)

2023 「On The Way To」(アートカプセル+ / 東京)

2024 「35.6203198, 139.6745482」(KATSUYA SUSUKI GALLERY / 東京)

2024 「Bodyscape」(Moosey / ノリッジ)

2024 「35.6693362, 139.7642580」(銀座 蔦屋書店 / 東京)

 

〔グループ展〕

2020 「100人10 EXTRA EXHIBITION」(シンワアートミュージアム / 東京)

2021 「EPIC PAINTERS vol.8」(THE blank GALLERY / 東京)

2021 「artworks FUKUOKA」(Whask / 福岡)

2021 「SHIBUYA STYLE vol.15」(美術画廊・オルタナティブスペース / 東京)

2022 「THE SELECTED vol.1」(elephant STUDIO / 東京)

2022 「メランコリック日常」(Artas Gallery / 福岡)

2022 「nine colors XVI」(美術画廊・オルタナティブスペース / 東京)

2022 「nine colors」(阪急うめだ本店 / 大阪)

2022 「SHIBUYA STYLE vol.16」(美術画廊・オルタナティブスペース / 東京)

2023 「WHAT CAFE EXHIBITION vol.25」(WHAT CAFE / 東京)

2023 「Super Summer」(Moosey / ノリッジ)

2023 「nine colors」(阪急うめだ本店 / 大阪)

2024 「OIL by 美術手帖 5th anniversary Vol.2 OIL SELECTION」(六本木 蔦屋書店 / 東京)

2025 「TOKYO ART BAZAAAR vol.7」(ラフォーレミュージアム原宿 / 東京)

2025 「サンプリングセンサー」(新宿眼科画廊 / 東京)

 

〔受賞〕

2017 「SICF18」入選

2019 「SICF20」入選

2020 「100人10」入選

2021 「100人10・2021」入選

2021 「WATOWA ART AWARD 2021」入賞

 

〔WEB-site〕

 
〔X(Twitter)〕
 
〔Instagram〕

TYM344

〔プロフィール〕

2010 早稲田大学第一文学部総合人文学科美術史学専修卒業


美術家。東京生まれ。

「絵を描くこととは、決定された画像をつくること」として、道路標識から秩父連山まであらゆる不動物を手本にして、二値化された非・動画的な絵画を目指す。

出版物として『告発と呼ばれるものの周辺で』カバー絵(小川たまか著、亜紀書房、 2022 年)、『わかりたい!現代アート』(布施英利 / 著・TYM344 / 画、光文社知恵の森文庫、2017年) など。

 

〔個展〕

2015 「サブスタンス」(新宿眼科画廊 / 東京)

2017 「HARD / SOFT」(ナオナカムラ / 東京)

2020 「EYE KNOW EYE LOVE YOU BETTER」(THE blank GALLERY / 東京)

2021 「レジャー」(MEDEL GALLERY SHU / 東京)

2022 「WHERE IT'S AT」(OIL by 美術手帖ギャラリー / 東京)

2023 「Stop and Go」(Night Out Gallery / 東京)

2025 「絵画の計画 / PAINTING PLANS」(THE blank GALLERY / 東京)

 

〔グループ展〕

2023 「Aliens 3」(FINCH ARTS / 京都)

2023 「本物の人工物」(YOD TOKYO / 東京)

2024 「都市と自然」(OIL by 美術手帖ギャラリー / 東京)

2025 「サンプリングセンサー」(新宿眼科画廊 / 東京)

 

〔受賞〕

2014 「TAGBOAT ART FES 2014」審査員特別賞(田中ちえこ賞)受賞

 

〔WEB-site〕
http://www.tym344.com

 

〔X(Twitter)〕

@tym344

 

〔Instagram〕

@tym344

NAKA Erika / 仲 衿香

〔プロフィール〕

1994 長野県生まれ

2019 東京造形大学美術学科絵画専攻卒業

 

身の回りに存在する現代の記号を題材に、アクリル絵具を用いた厚塗りの絵画作品を制作。

SH GALLERY所属。

 

〔個展〕

2019 「Present Place」(SH GALLERY / 東京)

2021 「Not Found」(SH GALLERY / 東京)

2022 「SLEEPING JIVA」(SH GALLERY / 東京)

 

〔グループ展〕

2017 「CUBE」(TURNER GALLERY / 東京)

2023 「ART FAIR TOKYO 2023」(SH GALLERY / 東京)

2023 「Kiaf Seoul 2023」(COEX / ソウル)

2025 「サンプリングセンサー」(新宿眼科画廊 / 東京)

 

〔受賞〕

2017 「ワンダーシード2017」選出

2018 「CAF賞」白石正美賞

2020 「100人10」between the arts賞

 

〔Instagram〕

@u_n_b

MAEHATA Yuji / 前畑 裕司

〔プロフィール〕

1986 愛知県生まれ

2010 愛知県立芸術大学大学院修士課程日本画領域修了

 

雑誌や広告、インターネット上の画像など、身の回りにある既存のイメージを用いて制作を行う。近年は「JAPANESE PAINPING?」というシリーズにて、 日本画や絵画の枠組みを意識させるような作品を発表している。
2020年神宮前原宿にてニュースペース パをオープン。不定期に企画展示やイベントを開催。

 

〔個展〕

2018 「JPNP?(ジャパニーズペインティング?)」(gallery N 神田社宅 / 愛知)

2020 「富士の美」(gallery N 神田社宅 / 愛知)

2021 「SOUVENIR」(gallery N / 愛知)
2023 「富士の美II」(gallery N / 愛知)

2023 「practice」(ニュースペース パ / 東京)

 

〔Instagram〕

@pateo3

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